美容業界で活躍されるビューティエディターさんやビューティライターさん、美容家さんなどをお招きして、彼女たちの美しさの秘密に迫る連載がスタートします。
第一回目のゲストは、女性誌やWEBなどで多数の美容企画を編集・執筆されている松本千登世さん。美しい言葉で紡ぎ出される文章は、まさに彼女の美しさをそのまま反映したような印象で、多くのファンがいらっしゃいます。
前後編に渡って、松本さんが考える『美しさ』の定義や、彼女自身の美の秘訣について、お伺いします。
今回お話をお伺いしたのは……

インタビュアー

キャビンアテンダントからの華麗なる転身。
最初は自分の肌に大きなコンプレックスが。
前田美保
松本さんは、ビューティエディターになられる前はキャビンアテンダント、それから広告代理店を経て出版社に転職されたんでしたよね?
松本千登世
はい。編集者になったのは30歳のときです。そこから5年間はファッションもインテリアも読み物もあらゆるジャンルを担当していました。
35歳で講談社の『Grazia』(現在は休刊)という雑誌にお世話になりましたが、そのときはビューティエディターとして、美容を中心に担当していましたね。
35歳で講談社の『Grazia』(現在は休刊)という雑誌にお世話になりましたが、そのときはビューティエディターとして、美容を中心に担当していましたね。
前田
美容は昔からお好きだったんですか?
松本
キャビンアテンダント時代は周りの女性たちのほうが間違いなく美容好きだったと思います。コスメの話を振られても「そうだね~」と言いながら、それほど興味は湧かない状態でしたね(笑)
時代的にも環境的にもメイクが濃かった世代なので、みんなと美容話はしていましたが、当時、自分の肌はあまりキレイではないし弱いし、でもそれは生まれつきだからどうしようもない……とコンプレックスを抱えていたので、興味がないというか、どちらかというと諦めていたのでしょうね。
時代的にも環境的にもメイクが濃かった世代なので、みんなと美容話はしていましたが、当時、自分の肌はあまりキレイではないし弱いし、でもそれは生まれつきだからどうしようもない……とコンプレックスを抱えていたので、興味がないというか、どちらかというと諦めていたのでしょうね。
前田
そこから広告会社に転職されて、化粧品会社を担当されたんですね。
松本
はい。それがきっかけで齋藤薫さんなど美容担当編集者の方々と出逢うことになり、美容についてどんどん知識を深めるようになりました。
それでも“自分と美容の関係性”についてはすごくクールだったんです。
「肌を諦めていた」当時は「化粧品なんて何を使っても大差ない」って思っていましたから(笑)
あと、「化粧品は生きてないから面白くない!」とも思っていました。人は話しかけるとそれに答えてもらえるから面白いけど、化粧品の効果効能は誰に対しても一辺倒。
同じ答えしか返ってこないし、と思っていましたね。なんと生意気な30代だったことか!(笑)
それでも“自分と美容の関係性”についてはすごくクールだったんです。
「肌を諦めていた」当時は「化粧品なんて何を使っても大差ない」って思っていましたから(笑)
あと、「化粧品は生きてないから面白くない!」とも思っていました。人は話しかけるとそれに答えてもらえるから面白いけど、化粧品の効果効能は誰に対しても一辺倒。
同じ答えしか返ってこないし、と思っていましたね。なんと生意気な30代だったことか!(笑)
前田
そこから考え方が変わったのは、どういうきっかけですか?
松本
取材でスキンケアカウンセラーの鶴岡悦子先生とお目にかかったときに「自分の肌をまったく大切にしてないあなたに、美容を語られたくない!」と叱られたことです。
その言葉自体はとてもヒリヒリしましたけど、そこには間違いなく愛があり、この方に付いていってみようと思ったんです。
「その気になれば、肌は一週間で変わるから。心の向きが変わったら、今日にでも変わるから」と先生に言われて、信じてやってみようと。
そしたら、本当に心の向きを変えるだけで、化粧品が味方になってくれるようになって。
その言葉自体はとてもヒリヒリしましたけど、そこには間違いなく愛があり、この方に付いていってみようと思ったんです。
「その気になれば、肌は一週間で変わるから。心の向きが変わったら、今日にでも変わるから」と先生に言われて、信じてやってみようと。
そしたら、本当に心の向きを変えるだけで、化粧品が味方になってくれるようになって。
前田
分かります!
不思議ですけれど、きちんと信じて使うことって本当に大切ですよね。自分の肌や化粧品と会話をしないと、絶対に肌は育たないと思います。
不思議ですけれど、きちんと信じて使うことって本当に大切ですよね。自分の肌や化粧品と会話をしないと、絶対に肌は育たないと思います。
松本
化粧品との付き合い方で生まれた肌の変化についてももちろんですが、さらに『心も変わるんだ』ということを伝えたいと強く思うようになりました。
今の私と化粧品、そしてお手入れとの距離感はその出来事がきっかけになっていると思います。
今の私と化粧品、そしてお手入れとの距離感はその出来事がきっかけになっていると思います。
お手入れを続けることは
女性としての自分を労わったり、
大切にしたりすることのひとつ。
前田
なるほど。確かに化粧品や自分の肌、取り巻く環境に対しての向き合い方を変えるだけで、化粧品がどんどん効くようになるというのはあります。
「化粧品が効かない」という人は、使い方が間違っている可能性が本当に高い。
「化粧品が効かない」という人は、使い方が間違っている可能性が本当に高い。
松本
そう思います。ほとんどの化粧品がちゃんとこだわりを持ってつくられていて、そこには“命”が吹き込まれているんです。
さきほど、私が以前「化粧品は生きてない」と思っていたとお話しましたが、開発者の方々のお話を聞くと「生きているんだ」と思える。
そこに最後の最後で命を吹き込むのは、実は私たち“使い手”なんですよね。命を吹き込むことができるのか、ただの“モノ”で終わってしまうのか――。
どっちになるかは使う人に委ねられるところが大きいんだろうなって、年齢を重ねてくると余計、そう思います。
さきほど、私が以前「化粧品は生きてない」と思っていたとお話しましたが、開発者の方々のお話を聞くと「生きているんだ」と思える。
そこに最後の最後で命を吹き込むのは、実は私たち“使い手”なんですよね。命を吹き込むことができるのか、ただの“モノ”で終わってしまうのか――。
どっちになるかは使う人に委ねられるところが大きいんだろうなって、年齢を重ねてくると余計、そう思います。
前田
2年くらい前でしたか、ある女性編集長にインタビューしたときに彼女が「女性は一旦“オンナ”という土俵を降りてしまったら、もう二度とその土俵に上がれない」とおっしゃったんです。なるほど、と思いました。
そう考えると、自分にかけるお手入れとかスキンケアも、その“女の土俵”のひとつじゃないかと思うんです。
もちろん、この意見に賛同されない方もいらっしゃると思いますが「いつまでもキレイでいたい」という気持ちを持ってお手入れに励んでいる方は、やっぱり女性としての生命線みたいなものを大事に考えてらっしゃるのかなって。
そう考えると、自分にかけるお手入れとかスキンケアも、その“女の土俵”のひとつじゃないかと思うんです。
もちろん、この意見に賛同されない方もいらっしゃると思いますが「いつまでもキレイでいたい」という気持ちを持ってお手入れに励んでいる方は、やっぱり女性としての生命線みたいなものを大事に考えてらっしゃるのかなって。
松本
私たちがお手入れを続ける理由は“美肌選手権”に出場していい成績を取るためではなくて(笑)
自分も気持ち良くいられて周りにも優しくできるとか、そういった“気持ち良く生きられる”ということに繋がっているんじゃないかな、と思うんです。女性は一生“女性”として生きていくわけなので、“女としての自分”を労わったり大切にしたりすることで、周りとの関係性が心地よいものになっていくのかなって。
自分も気持ち良くいられて周りにも優しくできるとか、そういった“気持ち良く生きられる”ということに繋がっているんじゃないかな、と思うんです。女性は一生“女性”として生きていくわけなので、“女としての自分”を労わったり大切にしたりすることで、周りとの関係性が心地よいものになっていくのかなって。
前田
最初に松本さんがおっしゃった、「化粧品との付き合い方で、心も変わる」というのはそういうことですね。
毎日笑顔で気持ち良く、
美しくいることで周りの人たちにも、
心地良さが伝播する。
松本
先日ある方を取材して“笑顔”の話になったんです。
その方は何があっても笑顔を絶やさずにいようと心がけていらっしゃるんですが、最初、自分ひとりの笑顔は点なのだけど、それがいつの間にか線になり、面になっていくと。それがやがて空間になっていくんですという話をされたんです。
肌全体がすごく調子いいというのは、女性にとってはとても大きな喜びであり、毎日ニッコリと笑って過ごせるというのは、シワが一本なくなったという喜びとはまた違う幸せであって、そこに『化粧品』という存在は欠かせないものだなと、改めて思いました。
その方は何があっても笑顔を絶やさずにいようと心がけていらっしゃるんですが、最初、自分ひとりの笑顔は点なのだけど、それがいつの間にか線になり、面になっていくと。それがやがて空間になっていくんですという話をされたんです。
肌全体がすごく調子いいというのは、女性にとってはとても大きな喜びであり、毎日ニッコリと笑って過ごせるというのは、シワが一本なくなったという喜びとはまた違う幸せであって、そこに『化粧品』という存在は欠かせないものだなと、改めて思いました。
前田
わー。ステキなお話!
私も似たようなことでひとつ思うことがあるのですが、私のお手入れは「若返りたい」というのが目的ではないんです。もちろん老けていく時間が緩やかになればいいなと思いますが、実際のところ「若返る」のは物理的に難しい。でも継続して一生懸命お手入れを行うことで、どこかで肌を褒められたり、実年齢よりも15歳くらい若く間違われたり、そんなことが起こると「あ。ラッキー♡」と思うんですよね。それが励みになってまた一生懸命お手入れができる……そういうスパイラルにハマれると最高だなって。それも“循環”していく感じかな、と思います。
私も似たようなことでひとつ思うことがあるのですが、私のお手入れは「若返りたい」というのが目的ではないんです。もちろん老けていく時間が緩やかになればいいなと思いますが、実際のところ「若返る」のは物理的に難しい。でも継続して一生懸命お手入れを行うことで、どこかで肌を褒められたり、実年齢よりも15歳くらい若く間違われたり、そんなことが起こると「あ。ラッキー♡」と思うんですよね。それが励みになってまた一生懸命お手入れができる……そういうスパイラルにハマれると最高だなって。それも“循環”していく感じかな、と思います。
松本
そうそう。あくまでも“結果として若く見える”ということなんですよね。毎日笑ってイキイキと過ごすことがとても大事なんだと思います。
私も前田さんと同様、美しい女性の方々にインタビューさせていただく機会が多いのですが、皆さん、共通点はそこ。独りよがりではなく“自分を大切にしている人”というのが美しさや若さの鍵なのかもしれません。
私も前田さんと同様、美しい女性の方々にインタビューさせていただく機会が多いのですが、皆さん、共通点はそこ。独りよがりではなく“自分を大切にしている人”というのが美しさや若さの鍵なのかもしれません。
前田
そうですね。女優さんやタレントさんはよく「何もしていない」とおっしゃったりしますけれど、よくよくお伺いするとものすごく自分自身と向き合っていらっしゃいますし、お手入れもかなりしっかりなさっている印象です。
松本
今、キャビンアテンダント時代に訓練をしていたときのことを思い出したのですが、緊急時にはお客様より先にCAが酸素マスクをつけるんです。
当時は「なぜ、お客様より先に装着するの? 自分だけ助かればいいの?」と思ったのですが、今になって思えば、私が動ける態勢でいないとお客様を助けることはできないんですよね。
私は、職業柄というわけではないのですが、やはり女性に「キレイでいると気持ちいいですよね、一緒に頑張りましょうね」とお伝えする立場にいるので、自分がボロボロなのはダメだろうし、後ろめたい気持ちにならないようにしっかり整えていこうと思っています。
でも、それはすべての女性にとっても同じはず。家族や友人と気持ちいい時間を共有するためにも、そして自分自身をそういう状態に持っていくためにも『美容』は一生付き合っていくものなのかなと思います。
当時は「なぜ、お客様より先に装着するの? 自分だけ助かればいいの?」と思ったのですが、今になって思えば、私が動ける態勢でいないとお客様を助けることはできないんですよね。
私は、職業柄というわけではないのですが、やはり女性に「キレイでいると気持ちいいですよね、一緒に頑張りましょうね」とお伝えする立場にいるので、自分がボロボロなのはダメだろうし、後ろめたい気持ちにならないようにしっかり整えていこうと思っています。
でも、それはすべての女性にとっても同じはず。家族や友人と気持ちいい時間を共有するためにも、そして自分自身をそういう状態に持っていくためにも『美容』は一生付き合っていくものなのかなと思います。
前田
私も自分が“美しさ”を伝えるお仕事に携わる以上、出来る限り丁寧に自分と向き合いながら、先ほど松本さんがおっしゃったとおり、“後ろめたくない自分”でいたいと思っています(笑)
では、後半編では、実際に松本さんのスキンケア方法や、リソウのアイテムをお使いになられた感想などについて伺いたいと思います!
では、後半編では、実際に松本さんのスキンケア方法や、リソウのアイテムをお使いになられた感想などについて伺いたいと思います!